カバービジュアル:星加曜
tampen.jp主催トークイベント「トーキング・ヘッズ・オン・アニメーション hosted by tampen.jp 第1回「ミュージック with アニメーション——クレジットタイトルアニメーションというプレイグラウンド」」が、6月3日(土)、渋谷区・松濤のディジティ・ミニミにて開催。テレビアニメのオープニング・エンディングアニメーションを表現の「遊び」の場=プレイグラウンドと位置づけ、その可能性をひもといていく。
出演は、アニメーション監督の平川哲生とモーショングラファー・アニメーションディレクターの大橋史。
なお、イベント参加チケット購入者は、専用のDiscordサーバーに招待される。
イベントの詳細は以下。
【イベント概要】
クレジットタイトルアニメーション(オープニング・エンディングアニメーション)は、本編からはなかば独立したスペースとして、表現の実験場という性格を有しています。それゆえに、独立系アニメーション作家や広告映像クリエイターといった、隣接領域のアーティストを積極的に登用しやすく、「アニメ」に周縁的・境界的なイマジネーションを呼びこむための「余白」としての役割もになっています。
本トークイベントでは、クレジットタイトルアニメーションを表現の「遊び」の場=プレイグラウンドと位置づけ、その可能性をひもといていきます。
【「トーキング・ヘッズ・オン・アニメーション」とは?】
「わたしの——87分間におよぶ狂乱のトーキング・ヘッド」
——映画『スイミング・トゥー・カンボジア』(1987年)より、スポルディング・グレイの独白
アニメーションは現在、テレビショー・映画・広告・美術・ビデオゲームなど、さまざまな領域にまたがり、足場となる技術を一定ていど共有しつつも、各領域ごとに異なる美意識や歴史を形成しています。そのいっぽうで——あるいは、そうであるがゆえに——アニメーションにまつわる「語り」は、それぞれの領域にとどまらざるをえず、断片化しているといえるでしょう。
アニメーションについて専門領域や立場に囚われないで対話し、コンフォートゾーンの外へ冒険に出ることを恐れない。そんなひとたちのための、小さくとも、オープンでフレンドリーな場をつくりたい。大げさに聞こえるかもしれませんが、それこそが「トーキング・ヘッズ・オン・アニメーションhosted by tampen.jp」(以下、THoA)の出発点だったようにおもいます。
THoAは、月イチていどの開催をめざしています。毎回ゲストを招いて、さまざまな角度からアニメーションについて語ります。
また、イベント参加者専用のDiscordサーバーを設置して、事前に質問や話題を募集したり、イベント中にリアルタイムでチャットを書きこんでもらうことで、壇上とフロアが積極的に対話しながらトークを展開していきたいと考えています。
それだけではなく、イベント終了後もDiscordサーバー上で意見交換や雑談をおこなえるように、交流用のチャンネルもいくつか用意しています。
実地とサイバースペースを往復しながら、アニメーションについて語るためのことばを磨きあげていく。それこそが、THoAの目的です。
このように書くと、かた苦しいイベントを想像するかたもいるかもしれませんが、心配はいりません。フロアとの対話を重視するということは、臨機応変に話題を転がすための「ゆるさ」も大切だからです。
ですから、THoAは「アニメーションについて、ゆるく、だけど真剣に語る」イベントだと考えてほしいです。
はたしてTHoAが成功するのか、正直、現時点ではまったく未知数です。だけど、まちがいなく刺激的な場になる——そんな予感がしています。
せっかくなので、最後に、イベントタイトルのゆらいについても、かんたんに説明させてください。
「トーキング・ヘッドtalking head」は、1970年代には、セリフに依存しきった映像作品を揶揄することばとして使われていたそうです。
そうした「トーキング・ヘッド」をイベントタイトルにあえて冠するのは、ほんらいことばでは語り尽くせないアニメーションを、それでもなお、ことばを尽くして語ろうとする本イベントのアイデアをアイロニカルにいいあらわす、ぴったりなことばだとおもったからです。
——田中大裕(「tampen.jp」編集長)
【イベント詳細】
▶︎日程:2023年6月3日(土)開場14:30開始15:00終了17:00(予定)
▶︎会場:ディジティ・ミニミ(〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-11-11 松涛伊藤ビル 2F)
▶︎出演:平川哲生
大橋史
MC:田中大裕
▶︎料金:2,000円(税込)
▶︎主催:tampen.jp
▶︎協力:ディジティ・ミニミ
【出演者プロフィール】
平川哲生(ひらかわ・てつお)
1979年、千葉生まれ。アニメーション演出家・脚本家。主な監督作品は『ブッチギレ!』『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』『けだまのゴンじろー』『ゼロから始める魔法の書』『VRアニメ「進撃の巨人」Season 2 リヴァイ編/エレン&ミカサ編』など。初監督の長編アニメ『川の光』がアメリカ国際フィルム・ビデオ祭など国内外の映像祭で受賞。OVAやWEBなど媒体を問わず、また実写やVR・3Dなど手法を問わず演出する。
Twitter:https://twitter.com/bokuen
大橋史(おおはし・たかし)
1986年生まれ。モーショングラファー、アニメーションディレクター。2012年多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。オーディオビジュアル、非光学的ルック、モーフィングアニメーションを扱いながらアプリケーションの有限性・限界線を意識したアニメーション表現の研究と作品発表の活動している。2022年momo inc.に所属。近年の代表作は、テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』シーズン1・シーズン2エンディングアニメーション、映画『ハケンアニメ!』劇中映像一部演出、名取さな〈モンダイナイトリッパー!〉ミュージックビデオ共同監督など。
ポートフォリオサイト:https://takashiohashi.com
田中大裕(たなか・だいすけ)
アニメーション史研究者。「tampen.jp」編集長。「新千歳空港国際アニメーション映画祭」プログラムコーディネーター、コンペティション短編・長編部門選考委員。長編アニメーション『鶏の墳丘』(原題:Chicken Of The Mound)配給。そのほか、インディペンデントアニメーションの上映、イベント企画・運営、執筆など。
Twitter:https://twitter.com/diecoo1025
そのほかの詳細およびチケット販売:https://tampen-thoa001.peatix.com