こんにちは。松浦直紀(まつうらなおき)と申します。火づくりという短篇アニメーションを制作中のアニメーション監督です。

2016年10月から2017年1月まで、MotionGallery (モーションギャラリー)さんでのクラウドファンディングを行い、無事、目標額の100万円を超える174万6千円という結果となりました。改めて、ご支援頂いた皆様、ありがとうございました!

ちょっと間が空いてしまいましたが、tampen.jpさんでの連載コラム三回目です。今回は「キャラクターデザインについて」お話ししたいと思います。

キャラクター原案に当たる部分は、企画当初、僕のスケッチがいくつか存在している程度で、明確な設定画などを用意していませんでした。
こんな感じの絵です。

色々な経緯があり、『火づくりは複数のアニメーターさんと分担してカットの絵を作っていくワークフローになったので、共通の認識統一を図る上でも、造形としての情報を整理するため、デザイン画の作成が必要になりました。
僕のスケッチを元に、友人のデザイナーに依頼し、描いてもらった絵がこちらです。

時間やお金の都合で、このレベルのラフな絵でOKを出して、彼の作業も終了としたのですが、このままでは作画をしてもらうアニメーターさんに渡す絵としては、良くも悪くも曖昧さが残ってしまいます。
作品の世界観として、描き手の違いによる絵柄の差異が顕著になってしまうと演出上の不具合も出てきてしまうので、もう一歩、より精密な設定画の作成が必要になりました。
幸いにも、クラウドファンディングの活動を通じてお知り合いになった中村ユミさんというアニメーターさんに、その作業を依頼させて頂けることになり、彼女との打ち合わせを重ねて、じっくりとデザイン作業を進めていきました。
そうして、できた主人公のデザイン画がこちらです。

造形として、大きな改変をしたわけではありませんが、実際の作画の線のニュアンスなどを整理してもらった感じです。特に、シワの付け方や影の入れ方などは、作品によってバラバラなので、こういったデザイン作業を通じて、ディテールの部分も詰めていく必要があります。
表情集も描いてもらい、現在、こちらの絵を正式な決定稿としてアニメーターさんや関係者と共有しています。

中村ユミさんは、普段、アニメーターとして活躍していて、『銀魂などの作品に作画監督として参加されています。そして、キャラクターデザインと合わせて、作画監督としても作品に参加して頂けることになり、現在、打ち合わせや作業を通じて、一緒に作品制作に取り組んでくれています。

●中村ユミさんツイッター
https://twitter.com/uky_t

●中村ユミさん創作HP
http://cdown.higoyomi.com

今回、tampen.jpさんでの連載コラムのために、いくつかの質問に対してコメントを頂いたのでご紹介します!

Q.デザイン作業で工夫・苦労した点は何ですか?
A.「私自身、アニメーションの設定をデザインする、という事は『銀魂』という作品で小物の設定をやらせて頂いてはいるのですがキャラクターはモブしか作成した事が無かったので、不安もありましたがとても良い経験になりました。原案で表情が見える絵が1枚しか無かったので、そこから想像して『火づくり』という初めて出会った世界観のディティールを探っていくのが楽しくもあり、難しかったです」

Q.どういった所にこだわりましたか?
A.「作画をする上で、キャラクターの感情を大事にしたいと考えているので、設定でも本編でも特に表情や、感情と繋がる体の動きは、こだわって丁寧に作画したいと思っています」

Q.松浦監督とのやりとりについての感想はいかがでしたか?
A.「松浦監督とは、今回初めてお仕事をさせて頂く事になったのですが監督の好きな物や考え方を殆ど知らない状態で、作業期間も短い中でデザインを進めていったので、お互いの情報をすり合わせて行くのが想像していたよりも大変でした。ですが、こちらの気持ちも汲み取りながら、少しずつ文章で説明して下さったり実際に『火づくり』の舞台の佐助さんの工房にも連れていって頂き、この作品の世界観を見せて頂けた事にとても感謝しています。
これから作画インなので、沢山の方の力をお借りして、私自身もスタッフの一人として、良い映像になるよう頑張りたいと思います」

以上、キャラクターデザインについてのお話しでした!

少し以前になりますが、中村さんと一緒に再び佐助さんの工房を訪れた際、完成した絵コンテをお見せして、いくつか質問などをさせて頂きました。真剣に話を聞いてくださる佐助さんに、改めて深い感謝を感じています。

作品の完成まで、スタッフの皆さんと力を合わせて頑張っていきたいと思います!

また次回のコラムをお楽しみに!!


UQiYO(ウキヨ)による『火づくり』のテーマ音楽"Dry Dry Try"のMVが公開中です!

『火づくり』とはーーー

 他界した父の遺品から、一本の壊れた鋏を見つけた少年。母によると、父は以前造園の仕事に携わっていたという。そして、その鋏は、異国に住む「佐助」という鋏鍛冶の手によるものであることが分かる。鋏を直してもらうため、少年は「佐助」に会いに行くーーー

 松浦直紀が監督として企画・制作中のオリジナル短編アニメーション作品『火づくり』は、大阪堺市に実在する鋏鍛冶職人「佐助」をモデルにした、架空の世界の物語です。松浦自身が佐助の鋏の切れ味や美しさに感動し、「こういう職人さんの姿を描いてみたい」と思った事がきっかけで、本企画の構想が始まりました。

 伝統工芸の世界を通じて、「モノを大切に使い続けることの素晴らしさ」を伝えたい。それが、松浦が本作に込めるテーマです。


作品のナビゲーションキャラクターアメノさんのtumblrはコチラ:
「アメノさんのふかふか日記」
http://amenosandiary.tumblr.com