こんにちは。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に在籍中の中内友紀恵と申します。今回スイスで開催された「第12回FANTOCHE(ファントーシュ)国際アニメーションフェスティバル(以下FANTOCHE)」にて、アニメーション作家の若井麻奈美さん・いよりさきさんと共に運営している「ANIME SAKKA ZAKKA(以下サッカザッカ)」という企画展を出張展示してまいりました!その様子を中心にFANTOCHEを写真で振り返ります。

せっかくのスイスに行くチャンス!しかし、費用の関係でサッカザッカ運営陣からは一人だけしか行けません。殴り合いの喧嘩は避けられないな・・と思いきや、いよりさんは大学の副手の仕事があるため行けず、若井さんからは「私は一人では1000%海外には行きたくないから中内さんどうぞ」と言われ、私のスイス行きがすんなり決まったのでした。

行きのルートは映像作家のひらのりょうさんと一緒。ふたりだけの渡航、果たして地球の裏側まで辿り着けるのか・・と緊張しつつも、まずは乗り換え先のアムステルダムへ無事到着。お豆腐のように積まれたチョコレートは眩しすぎて見るだけでテンションと血糖値が上がります。

空港で2時間程ぶらぶらしたあとはいよいよスイスに向けて出発。そこで我々を待ち受けていたのは・・

!!!

なんだこの素敵すぎるホテルは・・

夢かな・・?

・・ホテルに到着したのが夜中だったので(写真は昼間撮影したもの)一晩寝て幻だったらどうしようと思ったけれど朝普通に皆さんがごはん食べてたので大丈夫でした。それにしても優雅です・・!

到着した翌朝から早速サッカザッカの設営です!会場となるのはFANTOCHE本部建物のすぐ横にある「STANZEREI」という建物。(帰国までに何度も発音を教えてもらいましたがどうしても覚えられませんでした)同時に開催された「MOSHI MOSHI」は学生によるゲームの展示、「TEETH」はひらのりょうさんの個展の題名です。

設営中。
奥に見えるのがひらのりょうさんの個展ブース。脳みそが浮いてます。天上からワイヤーで吊るされており、たまに目が合いギョッとします

そんなひらのさんの展示は設営中から注目度が高く、スタッフの方が興味津々で寄ってきます。ひらのさんは会期中事あるごとに「TEETH!(歯の人!)」と呼ばれていました。

サッカザッカのブースは運営の3人以外に植草航さん・川口恵里さん・冠木佐和子さん・ししやまざきさん・姫田真武さんに参加頂き、計8人分のグッズ販売と作品上映を行いました。

左のイケメンと美女は今回ANIME SAKKA ZAKKAブース専属でレジを担当して下さった映画祭スタッフの方々、続いて作品がノミネートしフェスティバルに参加していた小野ハナさん・中野咲さん、日本特集プログラムとサッカザッカに参加している川口恵里さん、私です。

女の子がダイジェスト映像をじーーーーっと見てくれてる

iMacでの本編上映にも人だかりが!

ここまでご覧になって「スイスの映画祭なのに日本人多くない?」と思った方も多いのでは?

そうなのです、多いのです。今回のFANTOCHE「日本」を大きなテーマとして取り上げており、日本にまつわるプログラムや展示を多く特集し招待していました。サッカザッカも現代日本のひとつのムーブメントとして取り上げて頂いたのです。

いよいよ開会式。
あらかじめ謝っておくと、あまりにエキサイトしたので写真がほとんど残っておりません。その理由はこちら・・

何事か

どうした

・・以上の写真から雰囲気を感じ取って頂ければ・・幸いです

司会の女性がエレキギターの伴奏に合わせてトトロやナウシカを熱唱したり(めちゃめちゃうまい)スイスのアニメーション作家、イマニュエル・ワーグナーさんによる日本を題材にしたアシッドなVJが繰り広げられたりと、サービス精神溢れる素晴らしい開会式でした。

ちなみに、左の赤いジャケットのおじさまは「AKIRA」の金田のコスプレです。この方は開会式・閉会式のBGM全てを生演奏でこなした凄い人です。

ところ変わって、FANTOCHEのショップブースも充実しています。

ショップにも日本に関係のある商品が沢山並び、そのラインナップはなんと

リョーマ様までをもカバーします

こちらの棚には藝大アニメーションのDVDが!
・・と、ここで突然ですがお知らせです。

私の所属する東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻が
来年の3月に修了制作展を開催します!

●東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 第6期修了制作展
「GEIDAI ANIMATION 06DAWN」
【横浜会場】 2015. 3. 7(土)~9(日) 馬車道校舎
【東京会場】 2015. 3月中旬予定 ユーロスペース

http://animation.geidai.ac.jp/06dawn/

今年も面白い作品が沢山(の予定!!)ぜひぜひ来て下さい!!
以上告知でした~

FANTOCHEはスイスの小さな温泉街「バーデン」を拠点に開催されます。そこかしこにFANTOCHEの横断幕が貼られており、街をあげてFANTOCHEを盛り上げていることが分かります。お祭りムード満載!

手作りの星(?)の飾りも町中に吊るされています。

バーデンは2~3時間歩くだけでおおかた一周できてしまうような小さな街ですが、古き良きヨーロッパの町並みが多く残っていたり、町の中心部には大きな川が流れていたりと、とても素敵な所です。

ふと見上げると庇の裏がカワイイ。

街を歩いていると靴屋からおじさんが飛び出てきていきなり靴を脱がされ、何事かと思いきや「何だこの靴は!えらく曲がってるじゃないか!直したほうが良いよ!!!!」と熱心に説明された

確かに・・(帰国後新しい靴を買いました。ありがとうおじさん)

古城跡にも登りました。

たっけ~

怖くないの?

ヒエ~

観光を終え、メイン会場となる映画館「TRAFO」に到着。各プログラムごとにチケットを購入して入場します。

そこへでっかいトトロとクッキーを片手に登場したのはスイス人作家のダスティン・リースさん。トトロへの日本人の食いつきにニッコリ

その後サッカザッカのロゴと共にツーショット撮って頂きました!
素晴らしい笑顔

コンペティションプログラムにて「WONDER」上映後にロビーで原画を販売する水江未来さん。持ってきた原画はソールドアウトしたとのこと。凄い人気です!

上映作家の方には本部近くのテント内で記者を交えての作家インタビューが行われます。インタビューに答える中野さんと、通訳のヨナタンさん。ヨナタンさんはスイス人ですが10代まで日本に住んでいたため日本語ペラペラです

記者会見が行われたテントは会期中主に食堂のような場所になっています。ヨーロピアンなメニューの中に何故か焼うどんがあり、日本人作家はかなりの確率で焼うどんを注文していました。味付けは濃いめでスパイシーでとてもおいしい。ちなみにスイスは物価が高く、この焼うどんだけでも24スイスフラン、日本円にして約2500円もします・・!考えちゃダメだ・・

こちらはサブ会場となる映画館のひとつ、「STERK」。「多摩美術大学プログラム」や、「アニメーション出たり入ったり」と題された土居さん・水江さん・ひらのさん・中内が各々の活動について発表するシンポジウムが開催されました。ひらのさんは自身の活動の紹介に加え紙芝居も披露!同時通訳でやることをかなり不安がってらっしゃいましたが、ちゃんとスイス人にもウケていました。

STERKのロビーでもANIME SAKKA ZAKKAを開催!なんと映画祭スタッフのお姉さんが出張用のワゴンを用意して下さいました。実は設営の際にも事前に申告していない機材などを急遽貸して頂いたりして大変恐縮した場面もあったのですが、FANTOCHEのスタッフの方は嫌な顔ひとつせず対応して下さいました・・感謝・・

そのとき!何と姫田真武さんのTシャツを着たお客さんを発見!嬉しいな~

FANTOCHEはまだまだ盛りだくさん!作品上映・展示以外にも、夜には「ROYAL」という施設でライブが開催されるのです!こちらにも多くの日本人アーティストが参加。私が観に行った日には「最後の手段」の皆さんによるVJが行われ、その後久野遥子監督『Airy Meの楽曲を提供しているCuusheさん、初音階段さんによる生ライブが開催されていました!豪華!

そんなこんなで一通り役目を果たし、めいっぱい楽しんだファントーシュもついに閉会式。ここでもやっぱり日本フィーチャー。プレゼンターのピカチュウはよく見ると超美人でビビりました

和田淳さん含む審査員の皆さん。

気になるアワードは・・まずベストビジュアル賞を水江未来監督『WONDERが受賞!
「こんな幸せなことはない!次の作品でまたここに戻ってきたいです。」と喜びのスピーチをドイツ語で披露。

スピーチの大役を果たして一息・・と思いきや、続くベストサウンド賞に水尻自子監督『かまくらが選ばれ、代役として再び壇上へ。水尻さんの受賞コメントを英語で代読されていました。水江さん、水尻さん、受賞おめでとうございます!

気になるグランプリに輝いたのは、広島国際アニメーション映画祭でもグランプリを受賞したデイジー・ジェイコブス監督の『The Bigger Pictureでした!アワードの発表をもってFANTOCHEは終了。とても素敵な映画祭だったので、今度はコンペに入れるよう頑張ってまた参加したいです。

さてさて、FANTOCHEでも好評頂いたサッカザッカですが国内でも10月に開催が決定しております!

【ANIME SAKKA ZAKKA vol.3】
2014. 10. 18(土)-19(日)
アーツ千代田3331 地下1階 B105
入場料: 500円

2013年の春にスタートし、今までに2回開催されてきた「アニメーション+α」合同展示会「ANIME SAKKA ZAKKA」が今年も開催!今まで以上に盛りだくさんの企画を盛り込み、更にパワーアップして帰ってきます。

http://animesakkazakka.web.fc2.com/5_1.html

どうぞ、皆さんのお越しをお待ちしております。
ご覧頂きありがとうございました!


FANTOCHE国際アニメーション映画祭
http://fantoche.ch/en

中内友紀恵
http://nakauchiyukie.hacca.jp/ https://twitter.com/yk1021