新海誠×田中将賀『とらドラ!』)! 豪華な顔ぶれが話題となっていた新海誠さんの新作テレビコマーシャルが、2月25日のテレビ放映直後からウェブでも全編が公開されています。

「クロスロード」は、通信教育のZ会とのコラボレーションによる120秒間のアニメーション。『ほしのこえ』『言の葉の庭』で知られる新海誠さんと、TVアニメ『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のキャラクター・デザインを手がけた田中将賀さんが初タッグを組んだ作品です。別々の地で奮闘する二人の受験生が知らぬ間に交わり、やなぎなぎさんの歌声にのって走り出してゆく、疾走感溢れた物語がとても印象的です。

新海誠さんはこれまで、『雲のむこう、約束の場所』を皮切りに、多数の長篇・中篇アニメーションを手がけてこられました。一方でそれに平行し、「クロスロード」のような企業とのコラボレーションによるコマーシャル・フィルムも、数多く制作されています。

まずは、信濃毎日新聞による企業CM。2007年9月からオンエア開始されたとのことですので、『秒速5センチメートル』の直後ということになります。

新海誠さんの出身地である長野県で発刊されている新聞で、同じく長野県出身のタテタカコさんが音楽を手がけています(ちなみに曲名は「遠い日」、アルバム『敗者復活の歌』or配信限定シングル収録)。作品は現在も、信濃毎日新聞社のHPにて公開されています。

続いては、野村不動産とのコラボレーションで、映画『言の葉の庭』と同時上映されたことも記憶に新しい『だれかのまなざし』。今よりもすこし先の未来を舞台に、父と娘、そして母ともうひとりの絆を描いた物語です。

あまりにも秀逸なファーストカットから、やがて語り部の正体が明かされるまでの展開が実に見事で、映画本編の鑑賞前から涙腺を破壊させられた方も多かったはず。わずか6分40秒間に、新海誠さんのすべてが詰まっていると言える作品です。

こちらは残念ながら、現在はYouTubeでの全編公開が終了。2014年2月末現在では、ソフト化もされていません。こちらもぜひまた観れるようになるといいですね。

そして最後に、「あの頃飛べなかった一メートル六十五センチを、今海底六十メートルで思い出す……」というセリフが印象的な、大成建設のふたつのテレビCM。一作目は『星を追う子ども』の直後である2011年の「ボスポラス海峡トンネル」篇、そして二作目が昨年末に公開された「スリランカ高速道路」篇です。

壮大なスケールの映像と、秀逸なモノローグが印象的なこれらのシリーズ。ちなみにこの、ボスポラス海峡トンネル。昨年10月に感動の開通を迎えています。また、雰囲気こそ似ていますが、同社のTVCMである「新ドーハ国際空港」篇は、同じくコミックス・ウェーブ・フィルム制作で、監督の田澤潮さん(『旅するぬいぐるみ』)によるものです。

新海誠さんのエッセンスをぎゅっと絞り込んだ、15秒~6分30秒の短編シリーズ。今後の新作映画もさることながら、更なる短編アニメーションもとても楽しみですね。


新海誠 公式サイト:
http://shinkaimakoto.jp

「クロスロード」特設サイト:
http://www.zkai.co.jp/home/crossroad/

信濃毎日新聞 TVCM映像:
http://www.shinmai.co.jp/hanbai/cm_8.html

「だれかのまなざし」紹介サイト:
http://shinkaimakoto.jp/manazashi

大成建設 ライブラリー TVCM:
http://www.taisei.co.jp/about_us/library/cm/tvcm/index.html


記事中画像は「Other voices -遠い声-」より引用致しました。