いよりさきさんが、昨年発表した卒業制作作品『hug』からたったの1年で、新作を発表しました!

タイトルは、『太った鳥のはなし』
3分間のオリジナル短編アニメーション作品です。

大学在学中に制作した『「おはようカロチン」MV』オタワ国際アニメーション映画祭をはじめとした国際映画祭で入選を果たすなどの活動経歴を持つ実力派作家、いよりさん。社会人になってからの自主制作は難しいと言われる中、1年で新作発表とは、さすが。脱帽です。これは、ぜひともいよりさんにお話を聞いてみなければ~!

『太った鳥のはなし』/アニメーション:いよりさき/音楽:滝口敦士

いよりさん、新作完成、おめでとうございます!
現在は、どんな活動をされているんですか?

いよりさん:
アニメーションを作ったり、イラストを描いたり、多摩美術大学メディア芸術コースで副手として働いたりしています

新作『太った鳥のはなし』について教えてください!見所はどこですか?

いよりさん:
ストーリーのあるループをキーワードに、鳥を求め続ける人間のアニメーションを作りました。1つの判断によって、ループが続いたり、ループから抜け出したりするところを描こうとしました。太った鳥を求める事をやめた時、それまでのループを抜け出します。繰り返す世界を楽しんで頂けたら嬉しいです。

なるほど~、繰り返すと思ったら変化していく不思議な展開にはそんな哲学があったのですね!
繰り返す音楽の不安さと心地好さのバランスも絶妙に映像と絡み合っています。
これまでも、ミュージックビデオのような音楽と共に心地好く展開する作品を多く制作されていますが、何かそういったものにこだわりがあるんですか?

いよりさん:
音楽に合った映像を見たり、音楽からアニメーションをイメージする事が好きです。自分の作品を作る時は、まず音楽を作ってもらい、その曲の展開を紙に書き出して、作品の内容や動きを決めていくので、音楽が無いとアニメーションが作れないくらい大きな存在です。好きな曲をくりかえし聴くように、一度見て、少し時間が経ってから「あのアニメーションまた見たいな」と感じて何度も再生ボタンを押してもらえるような作品を作りたいと思っています。

「おはようカロチン」MV/音楽: pokepoke pocket/アニメーション:いよりさき

確かに、映像と音が脳内に残って、ふとした瞬間に欲してしまいます!中毒性がありますね・・・
デザインもとても素敵ですが、イラストレーターとしてもご活躍とのことで静止画と動画の関係性など、制作に於いてどうお考えですか?

いよりさん:
アニメーションとイラストは切り離して考えています。
ただ、イラストはエスキースをしているうちに手がとまってしまう事があり、そういう時に気分転換としてアニメーションの作画をする事がありました。作画に集中しているうちに、なんとなく頭が整理されてイラストがまとまったりします。特に今回完成した『太った鳥のはなしという作品は、方向性を決めた後はひたすら手を動かしていればなんとかなる作品だったので、イラストに行き詰まるとこのアニメーションの作画を始めるという事をしていました。その時は2つを関係付けようとは思っていないのですが、無意識にどこかでリンクしていた気がします。今回完成に至るまで、3つのアニメーションを同時に進めなくてはならない時期があって、そういう時期はあるアニメに行き詰まると、このアニメの作画をするという事がたびたびありました。

最近、新しい活動を始められたそうですね?

いよりさん:
この春から若井麻奈美さん、中内友紀恵さんが主催されてきたANIME SAKKA ZAKKAに新しく運営チームの一員として加わりました。お2人と一緒に、よりパワーアップしたANIME SAKKA ZAKKAが展開できるよう努めたいと思います!

tampen.jpをご覧のみなさまに一言メッセージをお願いします!

いよりさん:
この記事を読んでくださった皆様、取り上げてくださったtampen.jp様、本当にありがとうございます!気合を入れて臨んだのですが、うまく言葉にできませんでした...。新作用にwebページも用意したので、ご覧頂けるととても嬉しいです!ありがとうございました!!

デザインがしっかりしているアニメーションというのは、安心して観られますよね。まさに太った鳥を開放するように、アニメーションや映像の枠を越えた展開が期待できる、いよりさんの作品たち。これからも活動楽しみにしています。いよりさん、どうもありがとうございました!


いよりさき 
http://sakiiyori.com/