水江未来+中内友紀恵制作のトクマルシューゴ新ミュージックビデオ『Poker』(アルバム『In Focus?』収録)が公開されました!

実験アニメーション映画の巨匠、ノーマン・マクラレンの作品をモチーフに描かれた動きから始まり、昨日の『SHUGO TOKUMARU 10th ANNIVERSARY』公開(水江未来と中内友紀恵の『SHUGO TOKUMARU 10th ANNIVERSARY』完成!)まで30日間Vineで公開され続けてきた30匹の「ミュージックモンスター」たちが画面を賑やかに彩ります。

まずは公開されたこちらのMVをご覧ください!(注意:「線画が高密度すぎて解像度が追いつかない」という”水江未来作品あるある”が発生しておりますので、1080p画質でお楽しみくださいね!それでも追いついていませんが・・・)

いかがでしょうか。筆者、感動で泣きそうです。近年の水江さんの作品は、細胞からモチーフのキャラクタライズへとシフトしつつありますが、その現在までの集大成ともいえるような素晴らしい完成度!マクラレンから水江未来、そして中内友紀恵のより親しみ易く完璧な”キャラクター”への移行。(”トクマルくん”もさることながら、そこここに「中内節」が見え隠れするのでニヤニヤしてしまいますね!)それらのメタモルフォーゼの不思議で絶妙な融合。中盤の細胞からトクマルくんが誕生するシーンにはその全てが詰まっているようで非常に感慨深いものがあります。
そしてサウンドとのシンクロ率も、これまでの水江未来作品の中では最も高いのではないでしょうか。ミュージックビデオだから、ということもあるかもしれませんが、この安定した演出力はさすが。洗練されています。

ところで、冒頭から普通に出てきている「ノーマン・マクラレン」の名前。一体なぜ、マクラレンなのでしょう・・・?

こちらの作品、実は、ノーマン・マクラレンへ捧ぐオマージュとして制作された別バージョン『The Baby Birds Of Norman McLaren』(背景にマクラレンの作品映像を使用)が存在する、同時多発的作品なのです。

しかもこの『The Baby Birds Of Norman McLaren』は、1914年に生まれたノーマン・マクラレンの生誕100周年記念としてカナダのモントリオールで開催されている「McLaren Wall to Wall」で、準グランプリ3作品のうちの1作品としてすでに入賞を果たしています。そしてマクラレンの誕生日である本日、4月11日より、ケベック大学モントリオール校(Université du Québec à Montréal (UQAM))にある、CENTRE DE DESIGNという建物の壁一面に投影する形で、6月1日まで毎晩上映されます。

下の映像が、実際の上映の様子です。ビルの壁いっぱいにカラフルなミュージックモンスターたちがひしめき合い、夜のモントリオールにトクマルシューゴさんの音楽が鳴り響く、至福の空間が約2ヶ月間も続くなんて・・・!日本ではちょっと体験できませんよねぇ。期間中、モントリオールの街中では、いたる所でアニメーション映像の壁面投影が行われるんですよ。わくわくしちゃいますね!

「McLaren Wall to Wall」は、カナダ国立映画制作庁(NFB)が主な主催団体となっていますが、これはノーマン・マクラレンがNFBアニメーション部門の責任者であったことから。ただ、マクラレンはアニメーションの歴史にとってとても重要な人物ですので、今年は世界各地で彼の生誕100周年にまつわる様々なイベントが催されるようです。

そして、そのうちの一つが、今年6月9日から14日までフランス・アヌシーで開催されるアヌシーアニメーション国際映画祭2014で組まれている特別プログラム「McLaren Now!」なのですが、本作品『The Baby Birds Of Norman McLaren』はこちらでの上映も既に決定しています。

今回は、制作者の水江さん、中内さんのお二人にコメントもいただいています!

水江未来:
ミュージックアニメーションは、楽しい“大人の遊び”です。
トクマルシューゴさんとは、ここからドンドン面白い遊びをやっていくつもりです。
このMVは、ノーマン・マクラレン作品のキャラクター性に着目して制作しています。作中に登場する鳥は「線と色の即興詩」の最後に誕生する“ひな鳥”です。
共同監督をした中内友紀恵さんはタマグラアニメ(多摩美術大学グラフィックデザイン学科)の後輩で、僕と同じ精神でアニメーションを作っている信頼しているアニメーション作家です。

中内友紀恵:
水江未来さん、トクマルシューゴさん、さらにマクラーレンさんという素敵な出会い!その並びに私もいるという不思議!
世代を超えた嘘みたいなコラボレーションですが、完成したMVを改めて観ると、出会うべくして出会ったのだな〜という必然性すら感じます。
みなさんも一緒にこのキャラクター達の渦に飲まれてみませんか?
是非ご覧下さい!

”楽しい遊び”であるアニメーションの宇宙は、いつだって世界とリンクしています。モントリオールに行けないあなたも、今夜はモニタやご自宅の壁いっぱいに映し出した『Poker』な空間で、マクラレンとその長く奥深いアニメーションの歴史、そして我々と子孫が創る新しい100年に、想いを馳せてみてください!


今回のMV音源である『Poker』を含む、トクマルシューゴさんのアルバム
『In Focus?は、こちらからダウンロード購入できます(全曲試聴可能)
トクマルシューゴ In Focus? (wav ver.)

本MV『Poker』公開に関する記事を音楽配信サイト「OTOTOY」でもチェック!
http://ototoy.jp/news/75274


McLaren Wall to Wall
http://www.mclarenmuramur.com/en/

MIRAI FILM
http://miraifilm.com/

Shugo Tokumaru 10th Anniversary
http://www.shugotokumaru.com/10th_anv/#top