横須賀令子監督が主宰する上映会「13人の女性アニメ作家たち」が、北海道・南二条西のイベントスペースEDiTにて7月14日(土)に開催される。横須賀監督は現在では、NHK「プチプチ・アニメ」『なんじゃもんじゃおばけ』(1994年)や「みんなのうた」『きみのほっぺ』(2014年)などでよく知られているが、80年代の自主制作アニメーションブームを牽引した女性作家のひとりでもある。本上映会は、横須賀監督同様に80年代の自主制作シーンを牽引した女性作家にくわえて、道内在住の若手女性作家が一堂に会して新旧作品を上映する。

横須賀監督以外の参加作家は以下のとおりだ。日本において砂アニメーションのパイオニア的存在であり、『きまぐれオレンジ☆ロード』エンディングアニメーション(1987年)やNHK「プチプチ・アニメ」『すなあそび』(1995年)などでよく知られる飯面雅子監督。NHK「プチプチ・アニメ」『ハスの妖精ぼにょぼにょ』(1998年)などで知られ、アニメーション作家のみならず舞踏家としても活躍している守田法子監督。過去には故・相原信洋監督に師事しており、ポエティックな傑作短編を制作してきた山元るりこ監督。耽美な人形アニメーションで知られ、国内の人形アニメーションシーンに大きな影響をあたえた浅野優子監督。現在はドイツ在住で、多くの傑作抽象アニメーションを制作してきた米正万也監督。3.11以降の日本現代社会の歪みを寓話的に描いた怪作『へいたいがっこう』(2012年)が、イメージフォーラム・フェスティバル2012寺山修司賞を受賞した伊藤早耶監督。マンガやアニメのキャラクターにたいする記号消費を、ジェンダーやアイデンティティの問題とのアナロジーによって、脱構築するアニメーションを制作する大内りえ子監督。実験映画のオーセンティシズムを継承する林紗綾香監督。色鉛筆を中心としたアナログ画材のマチエールを前面に押しだした、抽象性の高いドローイング・アニメーションを制作する三上あいこ監督。消しゴム判子やステンシルといっためずらしい手法によって、ユニークな抽象アニメーションを制作するさとうゆか監督。写真を使用したコマ撮りアニメーションによって、記録と記憶の狭間にある世界を描きだす佐竹真紀監督。上映作家中最年少、今年、北海道教育大学を卒業したばかりの新鋭・塚本菜摘監督。以上だ。

なお上映後には、作家たちによるトークも予定されている。


【イベント詳細】

13人の女性アニメ作家たち

日程: 2018年7月14日(土)
会場: イベントスペースEDiT 札幌中央区南2条6丁目13-1 南2西6ビル
時間: Aプログラム 13:00~14:30、16:20~17:50
    Bプログラム 14:40~16:10、18:00~19:30
料金: 当日 2プログラム2000円、1プログラム1000円
    予約 2プログラム1600円、1プログラム800円
ご予約・お問い合わせ: women.animation@gmail.com
主催: 13人の女性アニメ作家たち実行委員会
協力: No Maps 実行員会、札幌国際短編映画祭、EZOFILM

【上映作品】
浅野優子『紙の家』(1986年2分10秒)、『うみうし姉妹劇場~七夕編~』(2017年/5分43秒)
飯面雅子『浮遊卵』(1980年/2分45秒)、『刻のおるごぉる』(2013年/14分)
守田法子「女郎花抄」(1996年/4分59秒)、「あなたへ」(1985年/5分5秒)
山元るりこ『我ときて遊べや顔のない羊』(1987年/2分)
横須賀令子『クレーターのなる木』(1987年/3分30秒)、『メタモルフォーゼ』(2018年新作/3分)
米正万也『Üks Uks』(2003年/7分)、『Une frite une fois』(2018年/3分9秒)
伊藤早耶『神話少年ミカド』(2018年新作/48分)
大内りえ子『わたしには未来がある』(2016年/15分16秒)
佐竹真紀『WALK』(2015年/8分23秒)
さとうゆか『コロニー』(2018年新作/4分)
塚本菜摘『犬よ出ていけ、飛んでゆけ』(2018年新作/5分)
林紗綾香『FLASH LIGHT PAPA』(2018年新作/4分)
三上あいこ『cycle』(2018年新作/4分)


そのほか詳細は下記サイトを参照。
women-animation.jimdofree.com