ガーリー映画の決定版として長い間人気を誇っているチェコの名作『ひなぎく』が、本日からシアター・イメージフォーラムで上映されます。
スクリーンで観られる貴重な機会として駆けつけたいところですが、こちら、アニメーションファンにとっても見逃せない上映となっています。
というのも、同じくチェコの作家、イジー・バルタの初期の短篇が併映されるんです!

イジー・バルタは、1948年チェコ・プラハ出身。大学卒業後フリーで働いた後、トルンカ・スタジオに在籍。80年代に精力的に短篇を発表し、国内外の賞を多数受賞します。2009年に長篇人形アニメーション『屋根裏のポムネンカ』を日本との共同で製作し、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞。さらに2012年には、小泉八雲原作で実写とアニメーションを融合させた短篇『雪女』を発表しました。
いつも新しい映像表現に挑戦をし、人形だけでなく、日常生活の中に存在する物や自然物などをアニメーションの素材として使い、チェコならではの魔術的な世界を見せてくれます。

今回の上映は3プログラムに分けられ、全部で10作品を観ることができます。

Aプログラムでは、
半立体のレリーフアニメ『謎かけと飴玉』(1978/8分)
レコード盤やコーヒーカップなど円形イラストを用いてディスクジョッキーの日常を描く試み『ディスクジョッキー』(1980/10分)
団地の図面の上に家庭を描いた紙が貼り込まれていく『プロジェクト』(1981/6分)
の3作品を上映。


『謎かけと飴玉』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー


『ディスクジョッキー』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー

Bプログラムは、
手袋たちが『ゴジラ』など有名映画のパロディを演じる『手袋の失われた世界』(1982/17分)
木彫りの人形の不気味さが印象的な『笛吹き男』(1985/53分)
実写のフィルムに直接彩色して幻想的なムードを生み出した『最後の盗み』(1987/21分)
古いマネキンと新しいマネキンの対立を描いた『見捨てられたクラブ』(1989/25分)
の4作品。


『手袋の失われた世界』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー


『笛吹き男』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー


『最後の盗み』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー


『見捨てられたクラブ』監督:イジー・バルタ ©Kratky Film Praha a.s .配給:チェスキー・ケー


そしてCプログラムは、
実写で描かれた自然とコマ撮りされた薪を組み合わせた『緑の森のバラード』(1983/10分)
イジー・バルタ、パヴェル・コウツキー、ヤン・シュヴァンクマイエルのセルフポートレートのミニオムニバス『セルフポートレート』(1988/2分)
ユダヤ伝説「ゴーレム」の新解釈。長年温めた長編企画のパイロット版である『ゴーレム・パイロット版』(1996/7分)
というラインナップ。

ユーモアがありつつも、どこか陰や不気味さを感じさせる映像は、一度観たら心を鷲掴みにされるインパクトがあります!
今回が日本最終上映とのことなので、お見逃しなく!!


5月10日(土)〜5月30日(金)連日21:00よりレイトショー
会場:シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2)
料金:一般・大学・専門学校生:1300円、高校生・シニア・会員:1000円  ※リピーター割引あり

Aプロ:5/10(土) ~5/16(金)  Bプロ:5/17(土)~ 5/23(金)  Cプロ:5/24(土)~ 5/30(金)
の3プログラムで上映。

神戸アートビレッジセンター(神戸)、京都みなみ会館(京都)、名古屋シネマテーク(名古屋)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、シアターキノ(札幌)で6月以降、順次上映予定。

http://hinagiku2014.jimdo.com/