2014年9月に開催された「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)アワード2014」で準グランプリを受賞した短編アニメーション映画、中島悠喜監督『乱波』。本アワード受賞作品の中で唯一のアニメーション作品です。
アニメーションだからこそ表現し得る壮絶な忍者バトルを描いた濃密な5分間の本作について、今回は中島悠喜さんにお話を伺いました。
まずは、『乱波』トレーラーをご覧下さい!
―― PFFアワード2014準グランプリおめでとうございます!中島さんは、普段どのような活動をされているのでしょうか。
中島: ありがとうございます!今年の3月に東京工芸大学芸術学部アニメーション学科を卒業して、フリーランスでの映像制作やMV制作の仕事をしています。
―― 本作『乱波』について教えてください!
中島: 忍者の生き様を描いた短編アニメーションです。タイトルは「らっぱ」と読みます。乱波とは戦国時代の忍者の呼び方の一つです。乱暴者という意味もあり、忍者もやくざな商売の一つなのでそういった男達を総称して乱波と呼んだのだと思います。過去に作られ完成しきっている忍者のイメージをリスペクトし守りつつ、そのイメージを超えられるよう自分なりの忍者を表現しました。あまり主観的に物語を捉えず客観的に捉えるようにして、見る人がまるで忍者の世界を生で覗いている感覚になれるような演出を心掛けました。それは僕がこの目で生で見たかった忍者の世界ということです。見所は最初の脱獄シーンです。一番最初に描きたかったシーンで、ここから強引に物語を広げました。
―― 今回使用したソフトウェアや技術を教えてください。
中島: 紙に手描きでアニメーションを描いて、Adobe Photoshopで加工して色を塗りAfterEffectsで編集しました。音に関しては、サウンドレコーダーで録音した後にSoundEngineでノイズを消して利用しました。
―― 制作期間はどれくらいでしょうか?お一人で制作され、声のご出演もされているそうですね。
中島: この作品は大学の卒業制作で制作期間は1年間です。基本的に僕一人で制作しましたが、声の出演として大学の友人でもある妹尾想さんと曽根重千代さんに協力してもらいました。なので僕を含め計3人で声をあてました。録音は僕の部屋で雑音の少ない深夜に2人を呼んで行いました。妹尾さんには、よく作品のストーリーの相談に乗ってもらい本当に感謝しています。
―― 本作の今後の展開予定を教えてください。
中島: 今月10月に行われる第26回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で上映されるので、是非お越しいただいてご覧になってください。
東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=301
また12月以降になりますが名古屋、京都、神戸、福岡で開催されるPFFでも上映されますのでそちらも是非。
―― 中島さんの今後の活動予定を教えてください。
中島: 映像を作る仕事をしながら自身のアニメーション作品も作って発表していきたいです。多分また忍者のお話を描くと思います。
―― tampen.jp読者のみなさんへメッセージをお願いします。
中島: 作品を作ることは、僕にとっての最高の自分表現だからこそ今まで作ってきたのだろうし、これからも作っていくのだと思います。ご期待に添えるようなものを作っていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
日本人ならではのこの世界観が素敵で、世界に紹介したくなる作品ですよね。次回作も大変楽しみです!中島悠喜さん、どうもありがとうございました!
中島悠喜
http://www.nakajimayuki.com/
ぴあフィルムフェスティバル
http://pff.jp/index.htm