1、はじめに

今年はじめての開催となった新千歳空港国際アニメーション映画祭。
46の国と地域から応募された715本もの作品の中からグランプリを決める国際コンペティションをはじめ、招待作品の上映や、ゲストによる講義、ワークショップ、作家の話を聞くmeet the film makerなど、アニメーションに関するイベントが、10月31日から11月3日までの4日間、惜しげもなく詰め込まれていました。
また作品を上映するための映画館はもちろん、多彩な飲食店、イベントスペース、宿泊施設や温泉までもが空港内に揃っているという点を活かし、全てを空港の中で完結させるという不思議な特徴を持った映画祭でもあります。
「せっかく北海道にいるのだから、それらしい景色というのも見てみたいな」と思いつつも、上映作品もイベントも、そこに集まってくる人々も、そしてそれら全てを包む空港という空間も、すべてがどれも魅力的で、気づけば4日間空港から一歩も外に出ずに東京に戻ってきてしまいました。

こうして書いてみるとなにかの呪いのようにも思えますが、そんな素敵な呪いをかけていただいたことを心から感謝しています。まだ次回開催については未定とのことでしたが、無事に来年も開催されることを願ってやみません。
今回は、第二回の開催が決まったときに「行こうかな」と悩んでいる人がいれば、その後押しとなれるよう新千歳空港国際アニメーション映画祭周辺での出来事を、私個人の視点から書き留めておきたいと思っています。

改めまして、私は『ひとりぼっちのヒーローという作品でコンペティションにノミネートさせていただいた若井麻奈美と申します。長いレポートになりますが、どうぞよろしくお願い致します。

2、羽田空港から新千歳空港へ

出発の朝、北海道の寒さと飛行機に乗り遅れることに怯えた私は10足の靴下と、自分が持っているものの中で一番分厚いコートをスーツケースに詰め込み、離陸の2時間前には空港に到着していました。

(羽田空港では偶然にも今回国際コンペにノミネートしている和田淳さんのアニメーションが流れていた。)

機内ではアニメーション作家の水江未来さん、池亜佐美さん、姫田真武さん、大山慶さんが点々と、見渡せる範囲に座っていました。まるで遠足のようだと懐かしい気持ちに浸りつつも、1時間半ほどのフライトであっという間に新千歳空港に到着。
家にいたときのほうが寒かったのではないか、と思うほどに空港全体が温かく、必死に詰めたコートをスーツケースから出すことは結局一度もありませんでした。

(到着してすぐのところに映画祭の大きな看板がいくつも飾られていた)

(映画祭に関する新聞を発見し、束でもぎ取る池さん)

映画祭で使われる施設は、空港4階に映画館、3階にインフォメーションセンター、2階にホテルと中央吹き抜けのイベントスペース、といった具合に各階に点在しています。

(3階インフォメーションセンター。ここでは会期中ワークショップなども行われる)

(中央のイベントスペースには映画祭に連動した展示や記者会見用の舞台、オフィシャルショップなどが設置されている)

(空港内にあるホテル。招待作家は会期中ここに宿泊していた)

空港内には飲食店やお土産ショップはもちろん、ゲームセンターや100円ショップ、薬局、郵便局まで揃っているため、多少の忘れ物ならここで充分補うことができます。開会式まで時間があったので、同じ飛行機に乗っていた作家の方々と辺りを見て歩きました。

(向かって左奥から、水江未来さん、冠木佐和子さん、姫田真武さん、ひらのりょうさん)

3、10月31日。開会式とレセプションパーティー

作品上映と開会式はメイン会場となるじゃがポックルシアターで行われました。
「じゃがポックル」というのは北海道のお菓子の名前ですが、それは完全に「じゃがビー」です。どちらもカルビーの製品ですが、詳しく調べてみると製法や材料、つくっている工場などにおいて北海道にこだわっているのが「じゃがポックル」こだわっていないのが「じゃがビー」ということだそうです。

(じゃがポックルのキャラクター。完璧なかわいさ)

(大きな人が何かの撮影をしていた。辺りには謎のリラックス感が漂う)

(このときはまだ準備中だったが、映画館内にもオフィシャルショップがある)

(映画祭のアドバイザーであり、選考委員でもある土居伸彰さん。このとき既に10日以上空港で過ごしていた)

シアターは全部で3つあり、一番大きなシアター1は231席、シアター2とシアター3は73席の規模があります。開会式のあとには、日本からひらのりょうさんの『パラダイスが流れる、インターナショナルコンペティション1の上映が行われました。

(先日開催された第12回FANTOCHE国際アニメーション映画祭でベストサウンド賞を受賞された水尻さん。欠席された水尻さんのかわりに賞を受け取った水江さんから、布製トロフィーの授賞式が行われていた)

関連記事:
中内友紀恵の第12回FANTOCHE国際アニメーション映画祭体験レポート!

http://tampen.jp/article/279

(観客賞を決める投票用紙。何個でも○をつけてよいというルール)

(向かって左から審査委員長のクリス・ロビンソンさん、ジェレミー・クラパンさん、岸野雄一さん、名誉実行委員長の古川タクさん)

(黒いスーツの偉い方々がたくさん座ってらっしゃる会場)

(開会式後、トロフィーが入っていた箱を突然激しく揺らした冠木さん。鈍い音を立てて倒れたトロフィー)

(無事に元の位置に戻されたトロフィー)

(レセプションパーティーを待つ参加者で賑わう)

レセプション会場ではいかにこの映画祭がたくさんの人の力で出来ているものなのか、部外者ながら痛感し、改めて自分の作品を上映していただけることのありがたさと不思議さを反芻していました。

(まさかの「白い恋人」食べ放題コーナーにどきどき)

(あのプリート・パルンさんもいらっしゃっている)

レセプションパーティーのあとは、多くの作家がホテルの中に作られた「クリエイターズラウンジ」という空間に集まり、ぎゅうぎゅうになりながらも夜遅くまで語り明かしていたようでした。

(空港内の飲食店は大半が21時までには閉まってしまうため、午前2時まで開いているクリエイターズラウンジが会期中重宝された)

4、11月1日

11月1日。10:30からはじまる「ファミリープログラム」を観るため、じゃがポックルシアターに向かいました。ファミリープログラムはインターナショナルコンペティションと同列ですが、このプログラムだけはこども審査員が作品を鑑賞する、キッズ賞の候補作品上映でもあります。日本からは池亜佐美さん、姫田真武さん、平岡政展さん、和田淳さんの作品がこのプログラムで上映されました。

(ホテルから映画館までは6分ほどの距離だが、その間にたくさんのお店を通り過ぎるため、いちいちなにかを買ってしまう)

(絶妙なデザイン。通るたびに気にかかっていたきつねの袋)

(まさかの展開「白い恋人」ストラップ)

(「白い恋人」ドリンクに「白い恋人」キャリーケースまで。一体「白い恋人」はどこにむかっていくのか)

(山のように詰まれたじゃがポックル。映画館の名前になるだけの貫禄がある)

(何があったかは知らないが、映画祭開始直後にも関わらず、既になにかあった雰囲気を醸し出しているコーナー)

上映のあとは、作家に話を聞く「ミートザフィルムメーカー」が行われます。これはコンペティション部門に関わらず、国内パノラマ、海外パノラマ終了時にも同様に開催されていました。

(こども審査員も積極的に質問や感想を伝えている)

(映画館内のオフィシャルショップには上映作家のグッズが並ぶ)

(国内パノラマプログラムにて上映があった山田遼二さん)

(まるで戦場にいるかのような表情で自分の番を待つ『太った鳥のはなしのいよりさきさん)

(不安そうな表情で『ウトゥのDavid Buobさんとお話をされるいよりさん)

この日は「爆音AKIRA」や「TVアニメ『TERRAFORMARS(テラフォーマーズ)』」の上映もありましたが、なんと整理券配布1時間前にもかかわらず定員オーバーとなるなどの、超大盛況。劇場版魔法少女まどか☆マギカ3作オールナイト上映も、もちろん前売り券で完売。

わたしはこの日、コンペ2や古川タクさんのマスタークラス、海外パノラマ1、国内パノラマなどを観ましたが、こちらもどれもほとんどが満席でした。

5、11月2日

3日目。

この日は審査委員長のクリス・ロビンソンさんによる、オタワ国際アニメーション映画祭の歴代傑作セレクション「スーベニア フロム オタワ!」を観るため、朝早くから劇場に向かいました。以前こちらにも映画祭レポートが掲載されていましたが、オタワ国際アニメーション映画祭では本映画祭審査委員長のクリス・ロビンソンさんがフェスティバルディレクターを務めています。

関連記事:
久保雄太郎のオタワ国際アニメーション映画祭2014体験レポート!

http://tampen.jp/article/289

(既になにかの列ができている。そしてやはり謎のリラックスムードが漂っている)

(まだなんの上映もはじまっていない時間だが、すでに整理券がなくなったものもある)

(昨日上映があった爆音『AKIRA満席にたいして)

(爆音上映『ファンタスティック・プラネットを終えて)

その後、審査員のひとり、ジェレミー・クラパンさんのマスタークラスを観に行こうとしたものの、上映5分前には既に定員オーバーで入場できず。私はこのとき、明日開催されるデビッド・オライリーさんのレクチャーに無事に入れる可能性が2%くらいであることを悟ります。

ところかわって3階イベントスペースでは東京藝術大学大学院アニメーション専攻の布山タルト教授による子供向けのワークショップが開催されていました。

(奥にはアフレコ体験コーナーも)

(これから何がはじまるかわからない人だかりを見ることが多かった。これもそのひとつ)

夕方には審査員のひとりである岸野雄一さんによる、音楽とアニメーションイベント「ANIMATION MUSIC FES!!」が行われました。アニメーション映画祭で、音楽のライブまであるのです。

そしてこの日の最後には、昨日整理券配布後即満席となった噂の爆音上映『AKIRA&変態オールナイトがありました。念には念を入れて1時間半前から並ぼうと意気込んで会場に向かうと、そこには既に50人ほどの行列が。心が折れかかりました。

(その後も列はどんどんとのびていき開場直前にはこんなことに)

深夜の爆音上映『AKIRAはもちろん満員。
前述した通り、大きな音が苦手なわたしですが、いざはじまってみると確かに音の迫力は凄まじいものの、不快にならないようにきちんと調整されており、2時間無事に楽しむことができました。音の振動で体もイスもブルブルと震えて、まるで何かのアトラクションに乗っているような、最高に恐ろしく、最高に刺激的な体験をさせてもらいました。

その後少しの休憩を挟んで「変態(メタモルフォーゼ)アニメーションオールナイト新千歳空港出張編~温泉でゆる変態~」がスタート。会場から笑い声が聞こえてくるような愉快な作品から、肉片飛び散る恐ろしい作品まで、一癖も二癖もあるアニメーションが次々に真夜中のじゃがぽっくるシアターに映し出されました。

司会はおなじみ、アニメーション作家の水江未来さんと本映画祭アドバイザーの土居伸彰さんです。

(日本にファンの多いピーター・ミラードさんのレトロスペクティブも)

(上映の休憩時間を見計らってここぞとばかりに眠りまくる観客の皆さん)

上映が終わってから始発までは1時間ほど時間があいていたようで、みんなおばけのような顔で映画館から出ると、真正面にある温泉に向かって一直線によぼよぼと進んでいきました。温泉の中には宿泊施設やちょっとした仮眠がとれるスペースもあり、オールナイト上映を耐え抜いた人々にも優しいつくりになっています。

(ホテルに帰る途中で一瞬だけ屋外に出たが、油断して薄着になっていた分、尋常じゃない寒さだった)

6、11月3日

映画祭最終日。
この日は日本でアニメーションを学ぶ学生作品が一望できるICAFセレクションの上映や、メディア芸術祭セレクションの上映なども行われました。
また最後のコンペティションプログラム、コンペティション4では拙作『ひとりぼっちのヒーローの上映もあります。
上映中は写真撮影が禁止されている為写真はありませんが、作品上映後はひとりひとり名前を呼ばれて壇上にあがります。極限までオールナイト上映を観ていた為、非常に眠くて、自分の作品が流れたときに眠ってしまっているのではないかという心配ばかりしていました。

(北海道のお土産はかわいいものが多い)

(立体作品の展示も行われていた)

(ラウンジでは誰でもが壁に絵が描けるようになっている)

(ひらのりょうさん風サインがたくさん)

コンペティション4がはじまると一切の眠気が吹き飛び、自分の絵が制作していたパソコン画面の100倍以上に拡大されて表示されていることに、ありがたくも怯えていました。

(コンペ4の最後を飾った『WONDERの水江未来さん)

(上映後のミートザフィルムメーカーで。スロベニアの人形アニメーション『ボールズのプロデューサーさん)

(気づけばデビッド・オライリーさんのレクチャーは満席に)

(満席で入れなかったことを悲しんでいたところ、真後ろで打ち合わせをされてることに気づき衝撃を受ける)

(デビッド・オライリーさんと水江未来さん)

6年もの歳月をかけて制作されたという、日本初公開となる韓国の長編アニメーション『ウリビョル1号とまだら牛。会期中2回上映され、最終日には監督のチャン・ヒョンユンさんによる挨拶も行われていました。とくに子供連れのお客さんが多く、ここでもシアターは満席となっていました。

そうこうしている間に、あっという間に4日間すべてのプログラムが終了。どのプログラムも大盛況で、残念ながら満席で入れないものもありましたが、どれも非常に充実したプログラムでした。

最後はいよいよ授賞式が行われます。

新千歳国際アニメーション映画祭では、企業賞含む14個の賞が用意されていました。
まず発表された北海道コカ・コーラ賞を『ようこそぼくです選の姫田真武さんが受賞。姫田さんは壇上で「普段はコカコーラはあまり飲みませんが、これからは意識的に飲んで新しい映像をつくっていきたいです」とお話されていました。

(サッポロビール賞を受賞されたMarc James Roelsさんと Emma De Swaefさん。「サッポロビール最高!」とおっしゃっていた)

(こども審査員5人も、ひとりひとり立派にコメントをされていた。キッズ賞に選ばれたのはベルギーの『パニック イン ザ ヴィレッジ ~ザ クリスマス ログ~

会期中の投票によって決まる観客賞を受賞されたのは『アナザーのSean Buckelewさん。「重大決心をしました。私はあと一週間この空港に居続けます!」と大変嬉しそうに、冗談を交えながら受賞コメントをお話されていました。

企業賞の発表が終わると、審査員の3名が登壇。ここからは審査員による審査結果が発表されます。

まず観光庁長官賞を『WONDERの水江未来さんが受賞されました。水江さんは「『WONDER』で日本で賞をもらうのは初めて」とお話されていました。

そして外務大臣賞では、大変ありがたいことに『ひとりぼっちのヒーローが選ばれました。
映画祭レポートを書くため、受賞された皆さんを撮影したり、受賞コメントを必死にメモをしたりしていたので、びっくりして荷物をぶちまけつつも壇上に急ぎました。身に余る賞をいただき大変恐縮です。

(水江未来さんが撮影してくださった投げ捨てられたわたしの荷物)

(偶然にも隣に座っていた姫田さんと水江さん。トロフィーが3つ並んだことを水江さんが喜んでらっしゃった)

残る3つの賞の発表の前に、受賞とはならなかったものの、審査会議において大きく話題にのぼったスペシャルメンションの発表があり、池亜佐美さんの『USALULLABYと、『ザ オブヴィオス チャイルド』『アダ+オットーの3作品がそれぞれ表彰されました。

(『USALULLABYの池亜佐美さん。なんとこの作品での表彰ははじめてだったとのこと)

新人賞は観客賞も獲得された『アナザーのSean Buckelewさんがダブル受賞。客席からも「ワーオ!」という歓声があがっていました。

国内グランプリは『パラダイスのひらのりょうさん。
ひらのさんは「空港でいっぱい飛行機が見れて、おいしいものも食べれて、温泉にも入れて、賞までもらえて、こんな嬉しいことはないです」と飛び跳ねながら賞状を受け取っていました。

最後は栄えある新千歳空港国際アニメーション映画祭の記念すべき第一回目となるグランプリの発表となります。

受賞したのは『ジーゲノートのTomasz Popakulさん。Tomasz Popakulさんは言葉に詰まりながらも「私の中で日本はとても大事な国になりました。この映画祭は、心の中で特別な場所として残ります」とコメントされていました。

(表彰式を終えて。こども審査員に大人気な姫田真武さん)

(向かって左から、水江未来さん、名誉委員長の古川タクさん、水尻自子さん)

(記者会見をされる国内グランプリのひらのりょうさん、グランプリのTomasz Popakuさん、新人賞のSean Buckelewさん)

レセプションパーティーで実行委員の野村辰寿さんからのご挨拶。新千歳という名前にちなんでこの映画祭が1000年続くように、とお話されていた)

(以前から憧れていたという水尻自子さんとはじめてお話できたいよりさきさん)

(北海道にはかわいいお菓子がたくさんあった)

(羽田空港にて。コカ・コーラ賞の副賞を持つ姫田真武さん。容赦なく手荷物シールが貼られている)

(ずっと気にかかっていたきつねの袋をいつの間にか水江未来さんが購入されていた)

7、おしまいに

残念ながらわたしの英語力は、中学1年生の英語のテストで「 how are you ?」と聞かれて意味がわからず、最終的に「元気ですか?」と日本語で質問させ、英語のテストにも関わらず「はい」と日本語で答えたレベルでとまっています。
自分に原因があるものの、2年前にはじめて広島国際アニメーション映画祭に行ったときには、上映作品の大半に日本語字幕がついていなかった為、セリフものの作品がほとんど理解できずに帰ってくることになりました。ネットにあがっている海外の作品でも、やはり日本語字幕がないとちんぷんかんぷんです。その点、新千歳空港国際アニメーション映画祭で上映された作品は、私が観た限りでは全てにきちんと日本語字幕がつけられており、これだけでも本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。
しかし会期中は海外からのたくさんのゲストが来場されるので、もちろん英語が話せることに越したことはありません。空港という、広くも、ひとつの空間の中に4日間もいると、必ず海外の作家さんとお話できるチャンスが巡ってきます。今回わたしはデビッド・オライリーさんに「ネットに作品はあがっていますか?」と聞かれ「NO!」と答えてしまったくらいでしたので、この教訓を今後に活かしたいと思います。

また特筆すべきは4日間の全日プログラムが2500円という破格のお値段。映画祭の公式HPに掲載されていたトラベルツアーでは、全日程分の宿泊+朝食+航空券+お別れパーティーへの入場+1プログラムチケットつきで5万円以内で行けてしまうということ。公式ツイッターからは空港内にある温泉施設に泊まればもっと予算をおさえられる!というアナウンスもありました。
出来ればここで北海道の心地の良い景色などもおすすめに加えられたらよかったのですが、冒頭で書いたとおり、空港から一歩も外に出ずに過ごしてしまった為それらしい紹介はできません。ただ一歩も外から出たくなくなるくらいこの映画祭が魅力的なものであったことは重ねて強調しておきます。

最後に、次回開催されたときには是非また観に伺いたいと思っています。そしてここまで読んでくださった方にも、来年は新千歳空港にひきこもってアニメーションまみれになることを心からおすすめします。長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

8、気になった作品

おまけに、会期中に気になった作品を紹介します。

インターナショナルコンペティション1『ザ オブヴィオス チャイルドStephen Irwin

インターナショナルコンペティション2『アドベンチャー・タイム ~ア グリッチ イズ ア グリッチ~David OReilly

海外パノラマ1『ジャンクヤードHisko Hulsing

変態オールナイト『ウインク&ラビットHong Hak-Soon
同シリーズの他の作品)

(写真提供:細川晋)


新千歳空港国際アニメーション映画祭2014
http://airport-anifes.jp/

若井麻奈美/Manami Wakai
1989年生まれ。神奈川県在住。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。2013年からFOGHORNにマネジメントを委託。

twitter:https://twitter.com/wakai_manami
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