映像・アニメーション作家 / 木版画家中村綾花さんの新作アニメーションMVが公開されました。楽曲はゆゆはるかさん砂漠の夜の夢。やさしい歌声とともに静かに時に激しく次々と展開される幻想的な世界は本当に夢のよう。手描きのタッチや素材感が動く絵画のようなアニメーションとして印象を残します。

今回は、本MVについて中村綾花さんにお話を伺いました。
まずはMV
『砂漠の夜の夢』をご覧ください!

―― 中村さんは普段どのような活動をされているんですか?

中村: 2013年3月に武蔵野美術大学の油絵学科版画専攻を卒業して、MVやテレビ番組のアニメーション、イラストを制作させていただいたり、木版画作家としても活動しています。

―― 本作について教えてください!面白いきっかけだったそうですね?

中村: この曲を歌っているゆゆはるかさんとは私が高校を卒業した頃に路上で知り合いました。当時はまさかこのような形で関わるとは思っていなかったのですが、ゆゆさんからMVをつくって欲しいというオファーをいただいて、つくるに至りました
MVをつくるにあたっていただいたイメージは、サン=テグジュペリの「星の王子さま」でした。その中の「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」という一文からイメージを得て「自分が求めている大切なもの(井戸)は本当は自分が持っている」というこの曲をつくったと伺いました。なので映像は、どんどん変化していく世の中と、確かにそこに在るものを表現しようと思いました。中央に居るのは見る人それぞれの「自分の中の大切なもの」をイメージしています。ほぼずーっとこっち見てます(笑)。あとはひたすら流れていく時やモノの空気感を大切につくっていきました。

―― 全てお一人で制作されたのでしょうか?どれくらいかかりましたか?

中村: ひとり引きこもり3ヶ月です。ずっと風景を描いている状態だったので1枚1時間かけているところもあります。

―― 本作はどのように制作されたのでしょうか。

中村: 紙に鉛筆でアニメーションを描いて、Adobe Photoshopで着彩しています。編集はAfter Effectsを使いました。場面展開するときの光や気泡など、映像を加工して使っているところもあります。

―― 本作の上映予定などはありますか?中村さんの今後の活動は?

中村: 特に上映予定がないのでどなたかご興味もたれましたらお声かけいただけましたら嬉しいです!私自身の動きは、来年いくつか木版画の展示が予定されているのでその制作と、これからもっと版画のテイストを映像に活かせられないかなと思っています。風が吹くようにザァ….ッ!と動くものもつくりたいですね。

―― 最後に、tampen.jp読者のみなさんへメッセージをお願いします。

中村: 一つの作品になるよう、つくりました。どこか見たことがあるかもしれない風景や空気をつめこみましたので、ちょっと一息つくときにでもこのMVに会いに来てくれると嬉しいです。ここまで読んでくださってありがとうございます!

長い冬の夜、暖かい部屋で眠る前に観たくなるような本作のステキな雰囲気は、中村さんの版画家活動などがベースにあったからこそ生まれたものなのでしょうね。版画のテイストを活かした作品、とても楽しみです。中村綾花さん、どうもありがとうございました!


砂漠の夜の夢 - Desert night's dream -』MV

監督・アニメーション:中村綾花
http://ayakanakamura.com/

音楽:ゆゆはるか
http://yuyuharuka.jimdo.com/


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