池亜佐美監督と山中澪監督による二人展「かもめ かもめ」が、東京・王子のコ本や honkbooksにて7月3日(火)~8月5日(日)まで開催されている。本展示は、アントン・チェーホフの戯曲『かもめ』にインスパイアされたという。池監督は、動物をモティーフとした浮遊感のあるアニメーションで知られ、代表作『USAWALTZ』(2012年)『USALULLABY』(2013年)は、国内外の数々の映画祭で上映された。

近年はスクリーニングにとらわれないかたちでのアニメーション制作も積極的におこなっており、プロジェクションマッピングやVRなど、現実空間を変容(メタモルフォーゼ)させるアニメーションを制作している。

山中監督は、代表作『えんえん』(2015年)『物語たちへ』(2016年)で「ことば」がもつイメージの複層性を驚くべきかたちで描きだした。

両監督に共通しているのは、私たちがあたりまえのように思っている世界のみえかたを、アニメーションをとおしてゆらめかせるということだ。そして、そこには同時に、「アニメーションとはなにか」という問いが潜在しているといえよう。思えばチェーホフの『かもめ』もまた、演劇にたいする自己言及を含んだ戯曲であった。地域の「本や」としてアートスペースの新しい在りかたをしめすコ本やを「舞台」に、ふたりのアニメーション作家はどのようにして、『かもめ』に応えているのか。ぜひ、その目でたしかめてほしい。

また、会期中はカフェ マキヤにて、両監督の過去作品の原画などが展示されるほか、21日(土)には折笠良監督をゲストに招いてトークがおこなわれる。折笠監督もまた、「ことば」を題材としたアニメーションでよく知られる作家だ。

トークテーマは「アニメーションとことばの関係」だという。あわせてぜひ、チェックしてほしい。


【イベント詳細】
池亜佐美・山中澪 二人展「かもめ かもめ」
会期: 2018年7月3日(火)~8月5日(日)※月曜定休。7月16日(月祝)は営業、翌日休業。 
会場: コ本や honkbooks 〒114-0002 東京都北区王子1-6-13
時間: 12:00~20:00
料金: 無料

【同時開催】
会期中はカフェ マキヤにて原画などが展示されるほか、トークイベントがおこなわれます。
【展示】
会場: カフェ マキヤ 〒114-0002 東京都北区王子1-22-16
営業時間: 8:30~19:30 ※日曜定休
料金: ワンオーダー制
【上映・トーク】
折笠良×池亜佐美×山中澪「きく、みる、よむこと つくること」
日時: 7月21日(土)18:00~20:00(17:30開場)
会場: カフェ マキヤ
料金: 500円+おやつ付きドリンク600円
予約: https://ryo-asami-mio.peatix.com/、QR

そのほか詳細は、コ本や honkbooks公式サイトをご確認ください。
http://honkbooks.com