「広島国際アニメーションフェスティバル」とは、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)公認の国際映画祭。アヌシー、オタワ、ザグレブに並ぶ世界4大アニメーションフェスティバルのひとつであり、この中では最も若い(1985年スタート)映画祭となります。また、日本にふたつしかない米アカデミー賞公認の映画祭でもあります。
初年度のグランプリ『おんぼろフィルム』(手塚治虫)を皮切りに、フレデリック・バック、アレクサンドル・ペトロフ、 ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービス、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット、山村浩二、イゴーリ・コヴァリョフ等々、その歴史と共に数々の作家たちの名を広島の地に刻んできました。
隔年開催(第3回を除く)の同フェスティバルですが、今年のHIROSHIMA 2014は、ちょっときりのいい第15回目。また、「30周年記念大会」と位置づけられており、特別なプログラムや企画が開催されることも発表されています。
そんな今年のHIROSHIMA2014、8月21日から5日間の日程がスタートしました! tampen.jpでは、現地からレポート記事をアップしてまいります。多くの人が携わり、そして国際色豊かな作家たちが行き交う同フェスティバルの模様を、裏側も交えながら、じっくりとお届けします!
フェスティバル前日にあたる2014年8月20日。広島市は未明の集中豪雨で、山側を中心に土石流などが発生し、大変な災害となりました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 広島最大の地方紙である中国新聞が号外を発表するなど、やはり現地でも大きな話題となっています。
ここは、広島市平和記念公園の中ほどにあるレストハウス。元は大正屋呉服店といって、ハイカラなファッションのお店として栄えていた建物です。原爆投下時には、旧産業奨励館(原爆ドーム)などに並び、爆心地から程近いにもかかわらずその原型を残した、数少ない建築物して知られています。 今は観光客が休憩したり、お土産を買ったり、散歩途中のおじさんがタダで置いてある朝刊をめくったりする場所になっています。
さて、そんな平和記念公園を南側に突っ切ってゆくと、その奥に見えてくるのが……? そうです。広島国際アニメーションフェスティバルの会場となるアステールプラザです!
30周年記念大会となる今回。開会式を翌日に控え、会場内での準備はますます忙しくなっていました。本日はHIAF2014の準備の様子から、日本随一の国際映画祭である広島国際アニメーションフェスティバルの舞台裏に迫ってゆきます!
まずは会場の四階にある、プレスルームへと足を運びました。こちらの会場では、連日、作家や審査員らによる記者会見が予定されています。
ご対応頂いたのは川本さん(左)と、中池さん。川本さんは広島市の文化振興課の方、中池さんは今回のために集まったボランティアの方とのことです。大会は、広島市、広島市文化財団、そしてボランティアの方々により構成されています。
さて、1階入って右手の部屋では、国内の学生らの作品が一同に介するエデュケーショナル・フィルム・マーケットの準備が進められていました。在京大学のスタッフなどは未到着でしたが、今日は広島在住の、近隣3大学の皆さんが準備に訪れていました。
市内からは、広島市立大学芸術学部、比治山大学短期大学部、広島国際学院大学などが参加しています。みなさん、真剣なご様子でした。会場にいらっしゃったら、ぜひこちらの大学もチェック!
さて、正面の大階段を登れば、そこには作品上映のメーン会場となる大ホール・中ホールが鎮座しています。ちなみに、当日券もこちらのすぐ傍で購入することが出来ます。
その手前には、各メーカーや大会のオフィシャル・ブースが並んでいます。まだ準備が始まっていない場所がほとんどで、ホールはがらんとしていました。
そのほか、4階、5階、7階でも準備が着々と進められています。コンピューター・アニメーションのワークショップをはじめ、自分の作品を自由に持ち込み、プロフェッショナルに見て頂くことができる「ネクサス・ポイント」「フレーム・イン」、大会30周年記念展示やノーマン・マクラレン展なども同会場で開かれます。あっ、作品持ち込みは、DVD/VHSのみ対応とのことですヨ!
ちなみに、エレベーターが7階に止まるときの、「7階です」のイントネーションがとてもユニークでしたので、アステールプラザのエレベーターに乗る方は、どうぞ7階到着の際にアナウンスの声にも気をつけて聞いてみて下さい。
数多くのボランティア・スタッフ、学生たち、そして作家――日本人だけでなく外国からの方も、多数会場を行き交っていらっしゃいました。大会初日は、さっそく午前9時台より最初の上映がはじまります!
さて、大会前日となるこの日には、野外でのイベントも予定されていましたが……豪雨災害発生につき急遽中止に。ただし、夜には、市内にある八丁座という映画館で、交流会とプレ上映イベントが行われていました。
歓迎会では、ヴァイオリンの演奏や武道のパフォーマンス、琴、舞踊なども披露され、ゲストや関係者を楽しませていました。
パフォーマンス後には、演者とゲスト同士もお話が弾んで盛り上がったみたい! この後、シアターではコンペティション作品ダイジェストなどが上映され、プレイベントは大盛況で幕を閉じたようです。
さぁ、大会本番がスタートしました。みなさま、会場でお会いしましょうネ。
第15回 広島国際アニメーションフェスティバル 公式ウェブサイト
http://hiroanim.org/
日時:2014年8月21日~25日
会場:アステールプラザ
http://www.cf.city.hiroshima.jp/naka-cs/
期間中上映プログラム多数。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
……ところで、この記事のライターであるわたくし、沼田友も、実はアニメーション作家でございます。
そんな私でございますが、広島国際アニメーションフェスティバル期間中に、まさかの単発アニメーション上映イベントをやります!
『沼田ちぬ イン ひろしま』というフザけたタイトルでござります!
広島では非常に有名な素敵カフェである、音楽喫茶ヲルガン座にて、大会3日目にあたる23日(土)のお昼12時からスタートします。 ゲストには、何と水江未来さん、土居伸彰さんをお招きします。物語をだいじにした、ちょっと変わったショート・アニメーションたち。大会にお越しの方は、ぜひランチ気分で足を運んでみてくださいネ。
『沼田ちぬ イン ひろしま』
日時:8月23日(土)開場 12:00 開演 12:30
会場:音楽喫茶ヲルガン座(広島市中区十日市町1丁目4-32)
http://www.organ-za.com/
トークゲスト:水江未来、土居伸彰
<料金>
一般 1300円 + 1order
学生 1000円 + 1order
高校生以下 無料 + 1order
■上映予定作品
『雨ふらば 風ふかば』(2011)、『むすんで ひらいて』(2013)他
■詳細は以下から!
http://numatake.com/6/works/hiro14/
https://www.facebook.com/events/737661302957099/