はじめましての方もそうでない方もこんにちは!中村綾花です。
前回の記事はこちらから:
中村綾花のアーティスト・イン・レジデンスinデンマーク/TAW Open Workshopレポート1
OWに滞在してサクッと3ヶ月が経ちました。と書いているうちに4ヶ月が経とうとしております。日々が濃く、昨日のことが4日くらい前に思っていたりするのですが、この数ヶ月はあっという間に過ぎました。早過ぎて正直怖いです。
朝9時にようやく昇り始め、15時には沈み始める冬の太陽に最初はどうやって生きていけば...と思いましたが、制作に集中して引きこもっていると、気づけば陽もそこそこ長くなってきていました。
<朝9時の空>
この3ヶ月は、街ぐるみでVAF (Viborg Animation Festival)というアニメーションフェスティバルがあったり、クリスマスホリデー、新年、卒業パーティー、OWでの出会いと別れ...ひたすらにイベント続きだったような気がします。そしてパーティーやディナーに誘ってもらえることにありがたさを感じると同時に、そろそろ人といることに疲れを感じてきているのでうまく自分を調整していきたいところでもあります(誘っては欲しいのに一人で居たいというハイパー面倒くさい人間です)。
<VAF (Viborg Animation Festival)
レジデンスが所属している大学、TAWがメインになって街のあちこちで映像のイベントがありました>
9月はNippon Nordicというデンマークと日本のクリエイターが集まる3週間滞在型のレジデンスで多くの日本人が見え、その後も1〜2ヶ月間OWに何人か日本人がやってきました。以前ネブラスカ(アメリカ)でのレジデンスでは日本人に会うことがなかったので、日本から遠く離れたデンマークで、多くの日本人に会えることに面白いなぁと感じています。
<12月の1ヶ月間はクリスマスさわぎ>
<クリスマスマーケットにて「今日はじめて作ってみたんだ」というので注文したら、お代はいらないよと言うので代わりに絵を>
OWはもちろん、OWが所属しているTAWは様々な国から学生が来ています。EU諸国の大学はこれが普通なのかなと思っていたのですが、講師でやって来た人が「この学校はすごくインターナショナルだよね!」と言っていたのでちょっと特殊なのかもしれません。
<友人の家に集まってお菓子を食べながらクリスマスのオーナメント作り>
学生は英語でやりとりをしていて、皆すごくネイティブ並だなぁ…!と思っていたのですが、「1年の時は英語が分からなすぎて、自分はすごく静かな人だったよ」とか、ブリティッシュの子が「私と彼(フランス人)愛し合っているけど、彼の完璧なフレンチイングッリッシュは分からない時があるわ…!」と言ってくれるので、臆せず話していこうと思います。
<Celebration of TAW's 30th Anniversary
TAWの30周年記念パーティ。数秒のスピーチとシャンパンの乾杯であっという間に終わったスピーディなパーティー>
そしてその為かもしれませんが、学校も街も外からやってきた人に慣れている感じがします。たどたどしくも伝えようとすると、相手も頑張って耳を傾けて受け取ってくれようとしてくれるので本当にありがたいです。
ちょこんと横に座ってタバコをふかしはじめるフレンドリーさや、英語を学びたいと言うと話す機会を作ってくれる面倒見の良さなど、彼らが接した日本人や文化からもあるのだろうなぁ...と関わりながら感じることも。彼らと出会った日本人やアニメたちありがとう。彼らに渡してくれた優しさを今私が貰っているよ。
<ディナーパーティ
誰かがOW(レジデンス)を去るときはもちろん、ちょこちょこと開催されるディナーパーティ>
そうそう。これを書いているまさに本日、ちょっと大きめな、と言っても1mくらいのキャンバスが必要になり、レジデンスではアニメーションに関係ないものは購入できないので、個人で購入しようとしたら輸送料がキャンバス代と同じくらいになってしまう、ということが起こりました。ネット注文を横で見ていたサポーターの人が、「これは...高すぎだから相談してあげるわ」と言ってくれ、結局、レジデンスで購入はできなかったのですが、近くの画材屋さんにありそうだから調べて取りに行ってあげるよ、と。「近く」とのことで自分でいくよ、と言ったら、「車を出すから」と。本当にありがたすぎます…
大きな物をつくるとき、一人じゃどうしようもなくて、そんなとき常に全てに対してありがてぇ...と感謝しか感じません...ありがてぇ...
キャンバスは結局歩きたい気分だったので画材屋へ-4℃の中40分歩いて行ったら、特注サイズになってしまい、おじさんが「後ほどだと輸送料かかるから今つくるよ!」と言ってくれ、奥さんが「こんな寒い中歩いてきたの!?車出してあげるわ!」と家まで送ってくださりました。優しすぎる…車だと7分でした。(んなアホな…
<Thuesen colors & ideas
「15分まってて、すぐ作るから!」とキャンバスをつくってくださりました。品揃えも人も素敵なお店です>
寒いし、物価は高いし、レジデンスでもハウスでも常に人がわさわさいるし…!とぐったりすることはありますが、人々の優しさに支えられて今日も今日とてコツコツと制作しております。
<Photoshopでアニメーションを作画したものをコピーした1000枚以上の紙の山。これからこれらを鉛筆や木炭でトレースしていきます。
これを見ると皆、マジかよ….となるのですが、「上が始まりで下が終わり」と可視できる状態になったので、自身としてはやっと制作の道筋が見えて来てホッとしております。>
Open Workshopで制作中アニメーション。
ティザーを公開しております。
制作過程などはこちらから
<https://note.mu/ayaka_n>
中村綾花(ayaka nakamura)
アニメーション / 木版画 / 絵
手描きをメインに、繊細かつ力強い画面づくりを目指し、アーティストのミュージックビデオやアートワーク、テレビ番組のアニメーション、装丁のイラストなどを手がける。映像作家100人2015(BNN出版)に掲載。木版画家・ペインターとしても国内外で活動している。
portfolio
http://ayakanakamura.com/ayakanakamura_portfolio.pdf